メルボルン事件とは?
                                      2002年7月6日
                                      メルボルン事件弁護団
                                       弁護士  近藤厚志

1 メルボルン事件のあらまし

        1992年6月、メルボルン空港で、日本人観光客4人が持っていたスーツケース
      の中から約13キログラムのヘロインが発見されました。

        そのスーツケースは、メルボルンに向かう途中のクアラルンプールで、4人のスーツ
      ケースが盗まれた後、ツアーガイドから新たにプレゼントされたものでした。
        4人は、そのプレゼントされたスーツケースの中にヘロインが入っていることを知らな
      かったのです。

        しかし、その4人と同行のもう1人の合計5人が、ヘロイン輸入の疑いで裁判にか
      けられることになりました。
        5人は、オーストラリアでの裁判で、スーツケースが盗難に遭ったこと、ガイドからプ
      レゼントされたスーツケースにヘロインが入っているなど知らなかったことを、ありのままに
      訴えたのですが、「盗難事件も作り話である。」などとされて信じてもらえませんでした。

        こうして、1994年6月10日、

                     4人に対して懲役15年

                     残りの1人に対して懲役25年(後に20年に変更)

      の実刑判決が下されたのです。

2 問題点

        5人の真実の声は、どうして認められなかったのでしょうか。

        確かに、4人のスーツケースの中からヘロインが出てきたという事実は、5人にとって
      大変不利な事実でしたが、彼らについた弁護士でさえ、希望的な見通しを語っていた
      と言います。

        これには、やはり、彼らが、オーストラリアにおいては外国人であったことが大きく影響
      していると考えられます。

        まずは、通訳の質が十分でなく、警察での取調が相当に混乱してしまいました。
      後で、裁判で取調における通訳の間違いを訂正しましたが、通訳が原因によって混乱
      した取調状況そのものまでは消し去ることはできません。
        陪審員は、取調における5人の話の内容や話し方などをビデオで見て、信用できる
      かできないかを判断しようとしたのですから、通訳によって混乱し、ちぐはくになった取調
      状況を見て、

            「彼らの言うことはおかしい。信用できない。」

      という印象を抱いたに違いなく、5人にとっては、ほとんど致命的な不利益を招いてしま
      いました。

        その他にも、金銭的及び言語的制約から、弁護人とも十分な打ち合わせができな
      かったなどの問題点があったのです。


                                                    以 上

  事件の事実関係・問題点に関するより詳しい説明は
『メルボルン事件をしっていますか』
第1章「メルボルン事件って何?」

 をご参照下さい。