浜村 淳(パーソナリティ)

 不条理は、いつの時代にもある。
 しかし世界が急速に近代化され、国際間の交流が、これほど盛んになっている現代に、いまだにこのような残酷な不条理があることを知って恐怖に蒼ざめる思いがする。
それとともに怒りもまた抑えることができない。
 1978年「ミッドナイト・エキスプレス」という映画が制作された。アメリカの青年がトルコ旅行の帰途、麻薬類を持ち出そうとして逮捕され投獄される話である。
 この場合、青年は出来心とはいえ意図的に密輸を画策した。映画の主眼は「他国への見せしめ」という政治目的による過重な量刑と凄まじいばかりの刑務所内部の描写にあった。
 ところが1999年「ブロークダウン・パレス」に至ってはアメリカの女子高校生2人は完全にワナにはめられて刑務所送りとなったのである。
 身に覚えがなさすぎる。この不条理に発狂寸前になってもふしぎではない。
メルボルン事件は、この後者に酷似している。余りにもひどい。
 オーストラリア政府も薄々と真実は知っているはずである。しかし、ここにもまた、なんらかの政治目的がかくされているのかも知れない。
 この事実を、もっと多くの日本人が知って、国全体としての声を上げねばならない。一部の弁護士諸氏の義憤と奉仕のみに頼っての運動なら問題は容易に解決しない。
 政府を動かし、国連を動かし、国際アムネスティを動かし、世界の活動につなげていかねばならない。
 某国によると疑われる一連の拉致事件も同様である。
 明日は我が身かも知れないのである。